イスタディが行われ、連邦の承認を得る必要がある。
航路の維持管理財源
1986年、Water Resource Development Actが制定され、港湾の維持凌渫の費用に当てるため、米国の港湾に搬出入される貨物に港湾維持管理負担金(Harbor Maintenance Fee,HMF)が課されることとなった。これは、当初、貨物の評価額の0.04%であったが、1991年1月から0.125%に引き上げられ、港湾維持管理信託基金として積みたたられている。
このHMFの徴収額は、1990年度、180百万ドルであったものが、引き上げの効果もあり、1995年度は、671百万円に増加した。この基金は、航路維持管理に使われるよりも徴収額が多く、1995年末で6億2,100万ドルが積み立てられており、今後、さらに増加することが見込まれている。
この負担金に対しては、利用する船の大きさや貨物の重量でなく、貨物の価格に対して付加されるので、不公平であること、必要額よりも過大に集められていることから問題となり、連邦国際貿易裁判所で審査され、1995年10月、輸出に対する課税、賦課金を禁じた合衆国憲法に違反するとの決定がなされた。連邦司法省は、1996年2月、連邦国際貿易裁判所に意見提出を行い、この結論がまだでていないので、港湾維持管理負担金の徴収は続いている。また、輸出貨物に対する賦課金を中止し、輸入貨物の対してのみこれを徴収すると、輸入に対する課税を定めたWTOの取り決めに反することとなる。
(3) ISTEA事業に対する補助金
(Intermodal Surface Transportation Efficiency Fund)
連邦全域にわたって各輸送モードを総合的に開発するため、1991年、複合一貫輸送効率化法(Intermodal Surface Transport Efficiency Act of 1991)が施行された。これにより、連邦運輸省は、全国の輸送ネットワークの長期的計画を策定し、陸運、海運を統合した一貫輸送体系を構築する事となり、これに必要なプロジェクトの調査、必要な事業への補助を行うこととなった。
ISTEAによる補助金を受けて実施されている調査及び事業は、港湾における鉄道積み替えヤードの整備等に関するもので、オークランド港の海軍跡地利用、ロサンジェルス港・ロングビーチ港から内陸への道路・鉄道30kmを改良するアラメダ回廊プロジェクト、タコマ港での鉄道積み替えヤード整備、ポートランド港(オレゴン州)での鉄道橋改良事業、マイアミ港での開発調査等がある。
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